石蕗の花(つわぶき) ・ もってのほか食用菊(しょくようぎく)
●石蕗の花(つわぶき)
晩秋から初冬にかけて、光沢のある濃い緑の丸く大きな葉の間から長く伸びた花茎の先に、鮮やかな黄金色の花が次々と咲きます。古くから食用や観賞用で親しまれてきた花です。
花の名は、葉がフキ(蕗)の葉に似て、葉につやのあることからのツヤハブキ(艶葉蕗)が転訛したという説や、葉が厚いことからのアツハブキ(厚葉蕗)が転訛したという説などがあります。漢字の石蕗は、海岸や海辺の林などの岩や崖の間に自生していることからきています。
花言葉「愛よよみがえれ」は、日当たりの悪い庭や生垣の下でも、黄色い花のひときわ目立つ美しさにたとえたものです。また、「困難に負けない」は、海岸近くの岩場の厳しい環境に耐え、日陰でもつやつやとした葉が美しく、他の花の少なくなる頃に大きな黄色の花を咲かせることからつけられたようです。
●もってのほか食用菊
秋の花といえば、菊の花。日本人にとっては、春の桜とともに、馴染み深い花のひとつです。
生花や刺身のつま物の小菊など一年を通して栽培される中で、食べる菊「もってのほか」は欠かすことのできない旬の食材です。
「もってのほか」は、食用菊の中では晩生で、収穫は9月下旬から始まり、晩秋の11月上旬頃に終わります。
食用菊は花びら(花弁)の部分を食べますが、もってのほかの花びらは筒状になっているため、茹でても形が崩れず、しゃきしゃきとした歯ざわりが特徴です。