木香薔薇(もっこうばら) ・ 藤の花(ふじ)
●木香薔薇(もっこうばら)
春から初夏にかけての気候のよい時期、つるにたくさんの小さな花をつけ、優しい香りを漂わせます。
中国原産のバラの原種の1つで、つる性のいわゆるつるバラと呼ばれて枝にはトゲがなく4~5月に花を咲かせます。
花の直径は2~3cmほどで、白い花の方が強い香りを放ちます。日本には江戸時代に黄色の八重咲き品種が渡来しました。
和名は、インド原産の植物からとれる芳香剤の「木香:モッコウ」の香りに似ていることからつけられたといわれています。
花言葉の「あなたにふさわしい人」は、何かに寄り添って伸びていくつるバラの性質に由来しています。
開花時期は4~5月。
●藤の花(ふじ)
藤は、マメ科の つる性落葉木本です。紫や白、ピンクの房状の花が垂れ下がって咲きます。
5月の風に乗って長い花房を揺らし、甘い香りを漂わせるフジの美しい花は、古くから愛されてきました。
美しく垂れるフジの姿は、振袖を着た女性を思わせる姿です。古くから、日本では「フジ」を女性、「マツ」を男性にたとえて、フジやマツを近くに植える習慣があったそうです。
フジの花の色は淡い紫色で、「藤色」の言葉もここからついたようです。
万葉集の中にも、フジは多く出てきます。苗字に「藤」の漢字がつく藤原隆盛や、フジのふんわりとした芳香などにより平安時代を中心に愛されていた色が「藤色」です。
藤の花言葉の由来は、藤がつる性の植物で、他の植物などにしっかりとつるを巻きつけて育つことから「決して離れない」という花言葉になったそうです。
開花時期は、4~6月。