山茱萸(さんしゅゆ) ・ 花韮(はなにら) ・ ヒマヤラユキノシタ
●山茱萸(さんしゅゆ)
早春に、葉に先だって枝一面に、鮮やかな黄色い花火のような小さな花が20~30輪ほど放射状に固まって咲き、秋になると葉のわきに赤く熟した実が鈴なりになります。春に可憐な黄花が咲いて秋に赤い実がなる果樹です。
花(木)の名は、漢名の山茱萸の音読みで、山のグミ(茱萸)で、果実が茱萸(中国ではサンショの意)に似ていることに由来します。別名のハルコガネバナ(春黄金花)は、早春に枝いっぱいに黄色い小花を咲かせることから、アキサンゴ(秋珊瑚)は、秋に実グミのような赤い実を珊瑚にたとえてつけられています。
花言葉の「持続」「耐久」は、1.5~2cmほどの赤く熟した楕円形の果実が薬用になることからつけられたそうです。
江戸時代以降に薬用植物として中国から渡来したサンシュユは、つややかに赤く熟した果実からタネをとって乾燥し、滋養強壮などの漢方薬や疲労回復に効果のある薬用酒などに用いられています。
●花韮(はなにら)
花韮の花はとても美しく小さな花が特徴です。
花びらの色は白と青、種類によっては紫やピンク色、野花に近いハナニラであれば、深い青色のような種類があるのもあります。また、花の形は星形のような花びらの葉先が尖っているのが特徴です。
また、春(3~4月頃)に花を咲かせることから英語で「Spring Star Flower」とも呼ばれています。また葉がニラの葉の形に似ていて、球根の香りや、葉や茎を折った時にニラに似た強い匂いがすることから「花韮」と名づけられたそうです。
青い筋の入った白い花の色に、物悲しさを感じることから「悲しい別れ」という花言葉や、あまり世話をせず放っておいてもしっかりと育つため「耐える愛」という花言葉がつけられたようです。
開花時期は3月~5月。
●ヒマヤラユキノシタ
冬に、地上部の太い根茎についた厚いつややかな葉のわきから花茎を伸ばして、早春から淡いピンクの花が下向きにかたまって次々と咲きます。花の名は、ヒマラヤ地方に自生し、つやのある厚く大きい葉が冬でも雪の下からのぞいていることから名づけられました。
花言葉の「忍耐」「秘めた感情」は、冷たい雪にも葉が枯れることなく、早春に花を咲かせることからつけられたようです。
開花時期は、1~4月。