夏の写句 3
写句の無断転用は、原則禁止とします。
短夜や鳥なきまわり朝の土
明易や鳥声聞いて目を醒まし
目醒めとき鳥声聞いて初夏仄か
鼻メガネ妻が四葩をググりをり
石榴咲き後は雨音を待つばかり
花石榴雨はまだかと妻が云い
菖蒲湯や夫婦で出でて乾杯し
草の華に鳴き震えるやアオガエル
ゆらゆらと揺れて消え飛ぶ川の蝉
旅の夜ゆかたの妻は二十六
翡翠やピィと鳴き飛び川ながれ
友訪ね夏岐れ路を報国寺
ひらきゆく始まりの美よ蓮の花
森閑と朝手水舎は夏咲きぬ
梅の雨石段苔は門覗き
緑さす花々見えず目は急ぎ
百日紅真綿のごとき露の紅
疲れ果ておにぎり頬張り半夏生