秋明菊(しゅうめいぎく) ・ 蓮の花(はす) ・ 崑崙花(こんろんか)
●秋明菊(しゅうめいぎく)
シュウメイギク(秋明菊)は、涼しくなった人里や野山にひっそりと咲く秋の風物詩です。シュウメイギクの名前は、秋に咲く八重咲きの花がキクに似ていることから名付けられました。実際にはキク科ではなくアネモネと同じキンポウゲ科で、現在では萼片(がくへん)が5枚の一重咲き種が園芸用として人気を集めています。
シュウメイギクには花びらがなく、花びらのように見えるのは萼片が大きく変化したものです。この世のものとは思えない可憐な咲き姿から、中国で発見された当初は「秋冥菊」という漢字があてられていました。日本では、京都の貴船山に多く帰化していたことにちなみ、「キブネギク(貴船菊)」の別名でも知られています。
花言葉は、「薄れゆく愛情」や「淡い思い」。開花時期は、8~10月。花色は、白、薄ピンク、紫。
●蓮の花(はすのはな)
蓮は、その独特の花や葉っぱが美しい水生植物です。見ていると清々しい気持ちになることから、仏教では極楽浄土に咲く花とされ、古くから慈しまれてきました。水の底に塊茎(カイケイ)という大きな根っこをつくり、そこから茎や葉っぱを伸ばして生長します。草丈は50~100cmほどで、茎の先に花を咲かせます。
根は「蓮根」、花を支える花托は「ハチス」と呼ばれ、葉っぱや芽など植物全体が食用や薬用、様々な方面で利用されてきました。蓮の花は短命で、花びらが開きはじめてから3~4日で散ってしまいます。
「清らかな心」という花言葉は、泥水を吸い上げながらも美しい花を咲かせることに由来します。また「休養」は、午前中に咲いた花が午後には閉じてしまう様子を表したものです。
開花時期は7月~9月。花の色は白、ピンク、黄色。
●崑崙花(こんろんか) 別名:白いハンカチの花
夏になると、1枚だけ大きくなった白い葉(萼)が涼しげに開き、花径1cmほどの黄色い星形の小さな花が中心に集まって咲きます。
花の名は、白い萼(ガク)を、黄河の源で天界への入り口とされた神々の住む崑崙山に積もる雪にたとえて名づけられたそうです。
白色が目立つので、季節の白い花だと認識している人もいるでしょうが、花びらのように見える白い箇所は、花びらでもなく、葉でもなく、萼片です。
花言葉は「神話」。花の開花時期は、7月~9月頃。