夏の写句 1
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南吹くピントゆらゆら春紫苑
さくら蟹咲くみちのくや余花の宴
緑蔭や木漏れ日ちかし禅遠く
禅寺朝生気溢るや山若葉
夏めくや師の声しみる岩屋洞
江ノ島の風の香いるや岩屋ぐち
泳ぎゆく友追う小島夏キャンプ
追憶のアスファルトの跣足たち
夕立や濡れ涼む君鐘ひとつ
竹の子の揺らして命雨後の朝
緑蔭に往時薫るや古鐘楼
緑蔭や禅師のこころ溢れ出で
黄昏になお声ひびきあまがえる
山若葉心あらたや禅寺は
故郷の祖母と子の海夏帽子
隠れ葉に涼しさ奏で雨蛙
花菖蒲霞み夏鴨ゆらゆらと
三溪の夢発ち遠く幾星霜